本当に面白い衝撃どんでん返し映画

【どんでん返し16連発】ジョン・コリア短編集「予期せぬ結末1」面白かった順にレビュー※ネタバレあり

ジョン・コリアの短編集16作品が収録された「予期せぬ結末1」。

どれも「世にも奇妙な物語」のような奇妙で不思議なお話で、軽口でサラリと読めてしまう作品ばかりです。

うなってしまうほどのスゴイどんでん返しはないですが、なるほど、こうきたか!と感心してしまう結末のお話が多いですね。

本記事では、「予期せぬ結末1」の全作品紹介とネタバレ含む感想を面白い順にレビューしています。

ジョン・コリア「予期せぬ結末1」収録作品一覧

全16作品が収録されている本作は、前編、休憩、後編の3テーマに分かれています。

前半の7作品=犯罪と幻想

インターミッション2作品

後半の7作品=恋愛と寓話

「予期せぬ結末1」面白かった順に作品レビュー※ネタバレあり

では、ジョン・コリア「予期せぬ結末1」のレビューを面白かった順にレビューしていきます。

ボタンの謎

こんなお話

夫の上着のボタンがメイドの部屋のベッドに落ちていた。浮気を疑う妻。

しかし夫はあらゆる可能性を考えボタンの謎の推理を妻に語る、ひたすら語る。

ボタンがなぜメイドに部屋に落ちていたのか、その謎をあらゆる可能性から推理し妻に巧妙に語るのが面白いです。

それはもう名探偵がごとく。

ボタンひとつの謎でこんなにも話が広がるのかと思わず感心してしまうベスト作品だと思いました。

ただ、夫の推理が非現実的なんですよね(結局のところメイドとロマンスがあっただろうと笑)。

だからうまく妻をごまかそうとしているようにしか見えないのがまたおもしろポイント。

妻が夫の言い分を最初はシャットアウトしているのに、だんだん聞く姿勢になっているところに、口の上手さがありましたね。

メアリー

こんなお話

ブタとの曲芸を生業とする青年と訪れた先で出会った娘は恋仲に。

しかし青年の飼うブタには賢く見た目も良い「メアリー」という名のブタがおり、メアリーは娘に嫉妬する・・・。

青年の大事にするメアリーと仲良くしようとする娘が、どんどんメアリーによって精神を消耗していく話。

予期できない結末・・・というとおおげさな表現ですが、「ああやっぱりな」という感じのラストで終わります。

個人的にはスッキリきれいに終わって良かったです。

豚なので・・・最後は結局おいしく食べられてしまったメアリー。

でもメアリーがいなくなったおかげで、二人は幸せになっていくんじゃないかと思いました。

まあかわいそうではありますが、ハッピーエンドです。

眠れる美女

こんなお話

見世物屋で美しい娘を引き取った男。

目を覚ました娘は男の想像する女性とは違い・・・さらにどんどん男は破滅の道へ。

最後の最後までどうなるかわからない、これぞまさしく「予期せぬ結末」だと感じた作品です。

皮肉も効いていて良かったです。

良い意味で読者の想像も裏切る美女の性格には男と同じく驚いてしまいました。

美女の勝利かななんて思っていたら、まさかの最後の最後で男の逆転勝利。

また見世物屋へと逆戻りしてしまった美女・・・ちょっとブラックなお話ですが、それでも軽い印象に見せるのはジョン・コリアの作風なんでしょうね。

完全犯罪

こんなお話

世の中に完全犯罪というものはあるの?

会員制の秘密クラブで語られた事件・・・これぞまさしく完全犯罪!

ボタンの謎と同じく、インターミッションとして収録されている本作。

完全犯罪というテーマについてそれぞれもの好きな人たちがあれこれ推測したり意見を出すシチュエーションが面白かったです。

実際に会った完全犯罪、事件の死因はチョコレート。

でも毒は入っていなかった。

そのチョコレートには一度食べたらやめられない誘惑があり、被害者はそれを食べるのをやめられなかった・・・そして死亡。

ということで、毒もないチョコレートによる殺害だから、完全犯罪というわけです。

そして最後、「シャーベットを使えばどうせ溶けるから本当の完全犯罪じゃん」というセリフには確かになと納得でした。

またのお越しを

こんなお話

ひとりの男が、何やら怪しい薬売りを訪ねる。

そこで惚れ薬を買おうとするも、なんと1ドルという驚きの安さだった。

最後の薬売りのセリフ「またのお越しを」の意味とはなんだろうか。

気づいたとき、背筋がゾッとする思いがします。

どんな女性も夢中にさせ、離婚を申し出ても受け入れてくれないくらい執着してくるようになるという惚れ薬。

そんな効能があるのに、たったの1ドル。

薬売りの本当の狙いは、惚れ薬をフックにしてしみ抜き剤を売ることだったというオチですね。

しみ抜き剤は毒薬で、5000ドルしますから。

商売が上手だなぁと思わず感心のストーリーです。

不信

こんなお話

妻が青年と共謀し、夫の殺人計画を立てる。

だが夫はその計画を細かに聞いていた。

妻と愛人が夫の殺害計画を話しているのを耳にした夫。

夫は、彼らの作戦に沿って動きます。

よくできているなと思ったものの、夫と愛人、見た目が似ているにしてもほどがあるだろうとつっこまずにはいられませんでした。

夫の一人勝ちでしたね。

木鼠の目は輝く

こんなお話

男の意中の女性は狩り、銃にしか興味がない。

そこで男はとんでもないアイデアを思いつく!

それは自分が「剝製」になることで彼女への愛を伝える方法だった。

主人公の男性も狩りに夢中な女性も、その他登場人物の数々すべて狂っていると思いました。

でも最後は思いがけずハッピーエンド!

剝製になった男でしたが、実は剝製のふりをしていただけ。

そして彼女が、彼女に思いを寄せる男から襲われるところを助け剝製でないことがバレる。

でも助けてくれたから二人は結婚というハッピーエンドでした。

正直、剝製になった主人公を見て称賛する人々の姿には狂気しか感じませんでした。

ミッドナイト・ブルー

こんなお話

夫が仕事仲間を殺害するという夢を見た妻。

妻は夢の詳細を夫に話し始める。

とくにひねりがあるというわけではありません。

ですが、最後の落とし方が個人的には好きでしたね。

意味が分かると怖い話に通じるものがあります。

ベンスキンさんがしていたマフラーはミッドナイト・ブルー。

そして最後息子が家で見つけたマフラーもミッドナイト・ブルー。

ということは・・・ですよね。

奥さんの最後のセリフが秀逸だなと感じました。

よからぬ閃き

こんなお話

妻の浮気を疑う夫。

夫は妻と愛人へ制裁を下すため作戦を練る!

科学者である夫はとんでもない方法で妻と浮気相手に制裁を加えようとします。

しかし結末は彼の予期しないものでした。

作戦は失敗・・・それどころか、まさかの妻と妻の浮気相手のキューピットになってしまうという皮肉な結末でした。

大いなる可能性

こんなお話

マーチスン氏には変わった趣味があった。

それは、家が炎に包まれ燃えている情景を妄想すること。

しかしついに、実際に行為に移してしまう。

家を訪ねてはその家が燃えている姿を夢想して楽しんでいるというちょっとイッちゃっている男性。

そんな男性の思わぬ可能性を発見してしまうというお話です。

なんとマーチスン氏、最後は消防団の団長に選出されてしまいます。

こんな奇抜な趣味を持った人でしたが、ひょんな事件から大いなる可能性が開花してしまったんですね。

つい先ほど、すぐそばで

こんなお話

妻が出かけたっきり帰ってこない。

そんな夫のもとへ警官が訪れあれこれ事情を聞き始めます。

1週間妻が戻らない夫に警官が鋭く質問をしていきます。

この男、何か隠しているんじゃないか・・・?

描写の数々が怪しさ満載です。

警官が帰ったあと、男は床の骨を拾いディスポーザー(生ごみ粉砕機)で作業開始。

その骨の正体・・・それこそ妻ということでしょうね。

蛙のプリンス

こんなお話

お金のために友人の妹(体が大きくて精神年齢7歳くらい)と結婚することを決めた男。

しかし男には愛する恋人がいる。

お金のために結婚することを恋人に伝えると、彼女はとんでもない行動に出る。

「嫉妬はときにとんでもない行動をさせることがある」

彼女がそう言ったように、やることが普通の発想ではありませんでした。

ファンタジー要素皆無なのに、とてもぶっ飛んだお話です。

なんとこの彼女、男の結婚相手と結婚してしまいます。彼女は男装して。

そして彼女は結婚した妻と病院に行き、妻は男性として生まれ変わります。

彼女は男性になったお金持ちと結婚生活を送ることに。

黒い犬

こんなお話

夫が亡くなってから妻の目の前には黒い犬が現れるように。

その黒い犬は、夫そっくりだった・・・。

ちょっとホラー的?なお話です。

夫亡き後に姿を現わすようになった謎の黒い犬に振り回される妻の物語。

夫は病死したようでしたが、実際は薬ではなく水道水を注射してたと暴露した妻。

それを聞いた愛人は彼女のもとを離れます。

愛人が去ってから黒い犬が姿を消したことを思うと、まるで亡き夫が妻へ復讐をしたかのようです。

恋人たちの夜

こんなお話

天使と悪魔が人間の女性の姿となり人間界へ。

人間の姿になったものの、その性格は本来の天使と悪魔の性質を備えている。

天使はひとりの青年と親しくなるが、それに嫉妬した悪魔は・・・。

天使と悪魔というファンタスティックなイメージが登場します。

でも、描かれるストーリーは男女の恋愛。

悪魔は青年を略奪するために策を講じますが、結局は天使と青年がくっつきました。

悪魔はというと、天使と青年の仲を裂くために声をかけた男と一夜を過ごしましたという結末。

話としては、それほどインパクトがあるわけでもなく予期できない結末というわけでもなく・・・普通かなという感想でした。

多言無用

こんなお話

大金を手にして美女が愛してくれることを夢見る男。

幸運をもたらしてくれることを期待し男は猫を飼い始める。

で、飼った猫が人の言葉を話し、男にアドバイスをしてくれるようにするため猫に鳥をエサとして与えていきます。

なかなか皮肉がきいている作品です。

最後は驚くべきことに猫がしゃべります。

でも、しゃべったときに時すでに遅し。

ないがしろにされていた天井が崩れ落ち男は下敷きになるというなんとも皮肉っぽいお話でした。

なんというか、努力の方向性がズレているなぁという感想を持ちました。

夜、青春、パリそして月

こんなお話

お金が底をつきスタジオを又貸しすることになった男。

借りる人物は予想外に若い女性で、男は彼女に恋心を抱く。

犯罪も描かれていますが、かなり軽くてあっさり!

個人的にはラストはそこまで・・・という感じでした。

最後は女性を襲った男を殺害して二人で街に飛び出した!というラスト。

とくにひねりはなさそうで、私が気づけてないだけなのか、いまいちなお話に思いました。

ジョン・コリア「予期せぬ結末1」総合評価

以上、ジョン・コリアの「予期せぬ結末1」レビュー+ネタバレでした。

短編集ということで、どのお話もとてもあっさりとしていて軽いです。

なので、濃密なミステリーや衝撃的などんでん返しを期待すると拍子抜けするかなと思いました。

あと、16作品もあるため、お話の面白さにも当然バラつきがあります。

ちょっと読みづらいなというものやパンチがないなという作品も存在します。

とはいえ、軽い読み物としてちょっとした時間に読むのにはぴったりだと感じました。

「世にも奇妙な物語」や意味が分かると怖い話系が好きな方なら楽しめる作品だと思います。